2011/08/24

[Press] プルシアンブルーを利用して多様な形態のセシウム吸着材を開発

-汚染水や土壌などさまざまな環境に適用可能-
  • 安価な顔料であるプルシアンブルーを利用し、優れたセシウム吸着能力を持つ吸着材を開発
  • 用途に応じて、布状、液状、ビーズ状など多様な形態のセシウム吸着材が使用可能に
  • 放射性物質漏洩事故などにおける環境中の放射性セシウムの除去に期待
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110824/pr20110824.html


 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノシステム研究部門【研究部門長 八瀬 清志】グリーンテクノロジー研究グループ 川本 徹 研究グループ長、田中 寿 主任研究員、北島 明子 産総研特別研究員は、大日精化工業株式会社【取締役社長 高橋 弘二】(以下「大日精化」という)、関東化学株式会社【代表取締役社長 野澤 学】(以下「関東化学」という)と共同で、安価な顔料であるプルシアンブルーを利用し、さまざまな用途に使用できる各種セシウム吸着材を開発した。

 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、さまざまな場所で放射性セシウムが検出されている。この放射性セシウムの回収には、選択的にセシウムを吸着し、かつ多様な形態で使用できる吸着材が必要である。今回、産総研で独自に開発したプルシアンブルーのナノ粒子と市販品のプルシアンブルーを適切に使い分けることで、布状、液状、ビーズ状など、用途に合わせて使うことのできる各種セシウム吸着材を開発した。これらのセシウム吸着材によって、汚染水や土壌など環境中の放射性セシウムの除去に貢献できることが期待される。

 なお、この成果の一部は、平成23年8月24日に、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の「福島県飯舘村現地水田ほ場における農地土壌等における放射性物質除去技術開発のための一連の試験」で使用される予定である。