2007/08/08

[Press] 北斎も使った顔料をナノ粒子化し、調光ガラスを作製

-多様な色と柄表示も可能に-
  • プルシアンブルーのナノ粒子インクを開発し、通電により透明度が変わる調光ガラスを作製
  • プルシアンブルー中の金属元素を置換し、多様な色を実現
  • 建築物や自動車の窓に利用すれば空調の効率化により省エネルギーに貢献
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070808/pr20070808.html



 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)ナノテクノロジー研究部門【研究部門長 横山 浩】ナノ構造物性理論グループ【グループ長 阿部 修治】 川本 徹 主任研究員、分子ナノ物性グループ【グループ長 水谷 亘】 田中 寿 主任研究員らは、国立大学法人 山形大学(以下「山形大学」という)、国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学(以下「北陸先端大学」という)、国立大学法人 東京農工大学(以下「東京農工大学」という)と共にプルシアンブルー型錯体の顔料をナノ粒子化し分散させたインクを開発した。また、それを利用して電気的に光の透過率を制御できるエレクトロクロミック素子を開発した。これにより、多様な色と、柄表示が可能な調光ガラスの作製が可能になる。また、製造法自体も簡便であり、安価に製造することができる。

 今回開発した調光ガラスは、1.5Vの乾電池によって着色-消色の色変化を示し、通電を止めても色変化は保持される。この調光ガラスを建築物や自動車の窓に利用した場合、室内に入る外部光を調節することができ、空調の効率化によって省エネルギーに貢献することが期待される。また、安価に多彩な色や柄の調光ガラスが作製でき、環境対策と意匠性の両立が期待できる。